『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』/ Warner Bros.
あと少しで『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開されます。今日は、最新作で新しく登場する魔法ワールドのキャラクターたちに注目してみたいと思います。もちろん、ダンブルドアのことは昔からの友達のように知っていますが、他の新しい登場人物についてはどうでしょう?『ファンタスティック・ビースト』から数十年後が舞台の「ハリー・ポッター」シリーズと、どのようにつながっているのでしょうか。それでは、見ていきましょう。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
もしかすると、「ファンタスティック・ビースト」最新作で最も期待されている人物かもしれません。演じるのはゾーイ・クラヴィッツです。1作目で、リタの苗字が注目を集めました。「ハリー・ポッター」シリーズを読んだことがある人なら、「レストレンジ家」と聞いて、いい印象を持たないかもしれません。
1作目では、ニュートが "たまたま"持ち歩いていた写真で、リタの姿を見ることができました。リタは最新作で、さらに詳しく描かれることになっています――イギリス魔法省で働く姿も見ることができるでしょう。また、リタはニュートの兄、テセウス(彼については後ほど詳しく)と婚約していることも分かっています。ニュートがリタの写真を持ち歩いていることを考えると、ちょっと気まずいですよね。
リタが「ニュートの味方」かどうかは今のところ不明ですが、「ハリー・ポッター」ファンのみなさんは、リタの子孫が必ずしも「良い人の集まり」とは言えない事は十分わかっていると思います。J.K.ローリングによると、レストレンジ家は「28の純血の家系」――魔法界の純血の家系を記した書物――に名を連ねる家系だそうです。どの純血の家系にも共通していることですが、レストレンジ家には闇の魔法使いや魔女が多いです。それから、恋愛する相手が、ノーマジやマグル生まれの場合、また半純血の魔法使いでさえも、なかなか認められません。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
わたしたちが知っている最も有名なレストレンジ家の人物は、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』に登場したベラトリックスかもしれません。実は、ベラトリックスは、同じく純血の一族であるシリウス・ブラックの家系に生まれました。ブラック家では、しきたりに背く者はみな家系図から焼き消されてしまうのです。ベラトリックスは、死喰い人の仲間のひとり、ロドルファス・レストレンジと結婚し、レストレンジ家の一員になります。ロドルファスの弟、ラバスタンも死喰い人です。ベラトリックス、ロドルファス、ラバスタンの3人は、ネビル・ロングボトムの両親を拷問した罪でアズカバンに収監されました。
ベラトリックスたちの世代から見て、どのくらいさかのぼるとリタにつながるのか、まだはっきり分かっていません(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の舞台は1920年代ということを考えると、ロドルファスの世代からは、それなりにさかのぼりそうです)。しかし、次に紹介する人物で、レストレンジの家系に、ほんの少し近づくことができます。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』/ Warner Bros.
ウィリアム・ナディラム演じるユスフ・カーマは、公式の人物紹介によると、アフリカ系フランス人の魔法使いで、純血である彼の一族では最後の男性です。
予告編ではあまり姿は見られませんでしたが、ユスフについて分かっていることがいくつかあります――例えばクリーデンス(エズラ・ミラー)を追っているという事。
ショー上院議員とクリーデンス・ベアボーン
そして、今回初めて明らかになったこともあります。ユスフは、クリーデンスを追い詰めるために、「破れぬ誓い」――任務を果たすことができなければ、命を奪われるという誓約――を結んでいるようです。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のなかで、セルブス・スネイプが、この「破れぬ誓い」を交わす場面がでてきます。それは、ドラコ・マルフォイのダンブルドア殺害を手助けする、という内容でした。このように「破れぬ誓い」は、大抵、かなり深刻な内容のために交わされます。だれかに紅茶を入れてあげる、なんていう約束には使いません。
また、最新作でユスフがリタ・レストレンジとつながりがあることが明かされます。実は、ユスフはリタの異母兄なのです。なぜでしょうか?ここでもう一度、ユスフの生い立ちに戻ってみましょう。ユスフの母親は、コーヴァス・レストレンジという邪悪な魔法使いに連れ去られ、ひとりの子どもを授かります。それがリタです。しかし、ユスフは、なぜクリーデンスを追っているのでしょうか。
1作目の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』から、クリーデンスについて分かっていることは、彼が孤児ということだけです――まさかユスフがクリーデンスを追う理由に、血のつながりが関係しているなんてことありえるのでしょうか?
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
魔法サーカス団「摩訶不思議サーカス」は、これまでに公開された3つの予告編に毎回登場しています――そしてつい先日、サーカスのメインアトラクションであるクラウディア・キム演じるキャラクターが、あのナギニであったことが分かったのです。ナギニとは、ヴォルデモート卿に仕える蛇で、数十年後、ハリー・ポッターの時代に登場します。しかし『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の中では、ナギニはまだ人間です......いまのところは、というだけですが......。悲しいことに、彼女はマレディクタスです。つまり、血の呪いによって、いずれ永久的に動物の姿になってしまう運命を背負っているのです。最新作でのナギニは、ある意味「動物もどき」のように描かれています。しかし、ネズミとして12年生活した後、人間の姿に戻ったピーター・ペティグリューとは違い、ナギニは二度と人間には戻れないようです。
それから、サーカスの支配人、スケンダーも登場します。演じているのは、オラフル・ダッリ・オラフソンです。スケンダーはナギニの状態を利用し、ひどい扱いをしています。スケンダーに何か天罰が下ることを願っておきましょう......。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりテセウスとニュート・スキャマンダーImage: Warner Bros.
カラム・ターナー演じるテセウス・スキャマンダーは、ニュートの兄で、ちょっとした重要人物のようです。まず、テセウスは、戦争の英雄として有名で、イギリス魔法省で闇払い局長として活躍しています。リタの項目でも少し触れましたが、婚約者のリタとは、もしかすると職場で出会ったのではないでしょうか。こうやってみてみると、テセウスの人生はかなり順調に進んでいるようです、ただし弟とのぎくしゃくした関係を除けば。US版予告のラストシーンで、ティナがテセウスを縛り上げた時、ニュートは「最高にいい気分」と嬉しそうな様子でしたよね。テセウスの仕事での成功ぶりは、弟とのこじれた関係の原因のひとつになっているようです。一方、ニュートは、魔法動物に囲まれて幸せそうですよね。
スキャマンダー兄弟は、和解できるのでしょうか?それとも、ニュートはリタのことを想っているのでしょうか?1作目でクイニーがニュートの心を読みましたが、ふたりのあいだに何があったのか、まだ、わたしたちには明らかにされていません。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりスピーチをするグリンデルバルドImage: Warner Bros.
強大な魔法使いの近くには、いつも仲間やしもべたちが控えています。ヴォルデモート卿には死喰い人が仕えていましたが、ゲラート・グリンデルバルド(ジョニー・デップ)には側近者たちがいて、その中の何人かは聞き覚えのある名前です。カロー(マヤ・ブルーム)、クラフト(サイモン・ミーコック)、クロール(デヴィッド・サクライ)、ナーゲル(クラウディウス・ピータース)、ヴィンダ・ロジエール(ポピー・コービー=チューチ)は、グリンデルバルドの「信奉者」に任命されました。1作目に登場した、ケヴィン・ガスリー演じるアバナシーもそのひとりです。アバナシーは、アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)の職員として登場していたので、ちょっと極端な辞職ですよね。
聞き覚えのある他の魔法使いの名前を見てみましょう。ロジエールとカローです。彼らも「28の純血の家系」に選ばれた家系です。同じ苗字で呼ばれている死喰い人が何人かいましたよね。
© JKR/Pottermore Ltd.™ Warner Bros. Photo by Jaap Buitendijk.
先に、ロジエールについて探ってみましょう。実はオカルト文学(軽く読むのは楽しいですよね!)によると、ロジエールは、悪魔になった堕天使の名前でもあります。いろいろ考えてみると、この家系には「堕天使」が複数人いますよね。
「ハリー・ポッター」シリーズで、カギとなるロジエール家の人物は、エバン・ロジエールです。第一次魔法戦争のころにはすでにヴォルデモート卿に仕えていました。しかし、ヴォルデモート卿が肉体を失った年に殺されました。もうひとり、ロジエール家の出身で、ブラック家の一員になった重要な人物がいます。ドゥルーエラ・ロジエールです。なぜ重要なのでしょうか?彼女は、ベラトリックス・レストレンジの母親だからです。ベラトリックスは長女で、下にふたりの妹がおり、三女がナルシッサ・マルフォイ(旧姓ブラック)、次女がアンドロメダ・トンクス(旧姓ブラック)です。純血の家系には、家系間の結びつきがあらゆるところに見られます(まぁ少しでもマグルの血が入っている家系を許さないと考えるのであれば、選択の余地はほとんどありませんよね)。なので、これはそれほど驚くことではありません。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』にヴィンダ・ロジエールが登場したら、わたしたちは、少し様子をうかがってみる必要があります。もしかすると、ヴィンダはロジエール家の子孫に邪悪な影響を与えているかもしれません。
カロー家から、マヤ・ブルーム演じる新しい人物が登場します。『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、かなり嫌な感じのカロー家の兄妹が登場しました。兄のアミカスと妹のアレクトです。ふたりは、ヴォルデモート卿が再び勢力をとりもどしたとき、ホグワーツの副校長になりました。また、この兄妹はダンブルドアの死の瞬間にも居合わせていたのでした。ダンブルドアはふたりに「ようおいでくだされた」と声をかけています。(ダンブルドアが心からそう言ったとは思えませんね)
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
カロー兄妹はホグワーツを、多くの生徒にとって地獄のような場所に変えてしまいます。しかし、ホグワーツの戦いですぐにレイブンクローの塔に捕らえられました。そしていま、グリンデルバルドの側近者に、カロー家の先祖がいます。なんだか嫌な予感がしますね......しかし、カロー家の人たちがみんな悪者だと決めつけてはいけませんよね?カエルの子はカエル、ということわざがありますが、純血の家系が全て悪に染まっているわけではない、とシリウス・ブラックが教えてくれました。
そういうわけで、じっくりと考えるべき魔法界の歴史がたくさんあることをお分かりいただけたでしょうか。最新作についてこれまで分かっている情報から、みなさんはどんなことを考えましたか?
そんな期待がふくらむ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は2018年11月23日(金・祝)全国ロードショーです。
CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
出典:https://www.pottermore.com/
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』2018年11月23日(金・祝)全国ロードショー