『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
もし、あなたが「ハリー・ポッター」シリーズの熱狂的なファンなら(もちろん、そうだと思いますが)、魔法界の複雑な家系図とその驚くべきつながりに気づいていることでしょう。例えば、ロンの母親、モリー・ウィーズリーとシリウス・ブラックが遠い親戚関係にあることや、ポッター家がペベレル家とつながっていることは知っていますよね。魔法界には、それ以外にも予想外のつながりを持つ人たちがたくさんいるのです。例えば......
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
魔法界の歴史上、最も有名な闇の魔法使いの大おばが、あの優れた魔法史家だなんて不思議に思いますよね。でも、実はそうなんです!ゲラート・グリンデルバルドは、ダームストラング専門学校を退学になった後、ゴドリックの谷に住むバチルダ・バグショットの家で暮らすことになりました。そして、そこで初めてアルバス・ダンブルドアと出会います。グリンデルバルドはたくさんの問題(例えば、魔法界を支配したいという野望など)を抱えていましたが、バチルダはグリンデルバルドをかわいがり、彼がダンブルドアに敗れ、投獄された後でさえ、何十年も彼の写真を額に入れて飾っていました。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
「ハリー・ポッター」シリーズには、注意深く読んでいないと、見逃してしまいそうな瞬間があります。例えば、モリーが実は、ギデオン・プルウェットとフェービアン・プルウェットの姉であることが分かる瞬間がそうです。ギデオンとフェービアンは、第一次魔法戦争で、不死鳥の騎士団のメンバーとして、5人の死喰い人と戦ったことがほんの少しだけ触れられています。ドロホフがフェービアンとギデオン・プルウェットを惨殺したことでアズカバンに送られたことも明かされていました。しかし、モリーがフェービアンについて話したのは、たった一度だけ。ハリーにフェービアンの使い込まれた時計をプレゼントしたときでした。モリーは子どもたちに、弟たちの名前をつけていないものの、双子のフレッドとジョージにギデオンとフェービアンと同じ頭文字をつけている事に、触れずにはいられませんよね。
「魔法使いが成人すると、時計を贈るのが昔からの習わしなの」ウィーズリーおばさんは料理用レンジの脇で、心配そうにハリーを見ていた。「ロンのと違って新品じゃないんだけど、実は弟のフェービアンのものだったのよ。持ち物を大切に扱う人じゃなかったものだから、裏がちょっと凹んでいるんだけど、でも――」
「ハリー・ポッターと死の秘宝」より
苗字が同じ時点で気づいてしまうかもしれませんが、このつながりは「ハリー・ポッター」シリーズと「ファンタスティック・ビースト」シリーズにまたがるので、触れておきたいと思います。
アンソニーは、ダンブルドア軍団のメンバーで、ホグワーツのレイブンクロー寮の生徒でしたが、一方で親戚のポーペンティナとクイニーはホグワーツではなくイルヴァーモーニー魔法魔術学校に通っていました。
J.K.ローリングは、苗字が同じ登場人物について、こんなツイートをしています。「ティナとクイニーが姉妹だということはみんな知っているけど、ふたりの苗字がゴールドスタインだってことにはなかなか気付かないのよね」ローリングによると、ティナたち姉妹とアンソニーの関係は、遠い親戚だそうです。
2011年に公開された『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』で、ネビル・ロングボトムがルーナに夢中になっていたことから、映画のファンのみなさんは、ルーナがネビルではなく、ニュートの孫にあたるロルフ・スキャマンダーと結婚したことに驚くかもしれません。原作にロルフは登場しませんが、ルーナを演じたイヴァナ・リンチは2015年に開催されたオーストラリアのコミコンでこんなことを明かしてくれました。J.K.ローリングは、ロルフ・スキャマンダーがハリー、ロン、ハーマイオニーに「三人兄弟の物語」について話す展開も考えていたそうです。しかし、実際に教えてくれたのは、ゼノフィリウス・ラブグッドでしたよね。
つまり、ルーナがロルフと結婚したということは、ルーナは、ニュートの義理の孫娘になったということですよね。すてき!
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
ふたりとも、ペベレル兄弟(「死の秘宝」の最初の所有者)の子孫にあたるので、ヴォルデモートとハリー・ポッターは宿敵ではありますが、血縁関係にあり遠い親戚です。ハリーはイグノタス・ペベレルの子孫で、イグノタスの透明マントはその息子に、そしてその娘、イオランテ・ペベレルに受け継がれ、彼女は後にハードウィン・ポッターと結婚します。それ以降透明マントは、ポッター家の長男に代々受け継がれ、ヘンリー・ポッター(ハリーのひいおじいちゃん)の手に渡ります。J.K.ローリングは、ハリー・ポッターとヴォルデモートの関係について、2007年にブルームズベリー社が行ったライブチャットでこのように語っています。「ハリーとヴォルデモートはふたりともペベレル家の子孫で、遠い親戚なの。もちろん、何百年も家系図を遡れば、ほとんど全ての魔法使いは遠い親戚にあたるのだけど。『ハリー・ポッターと死の秘宝』で分かった通り、ペベレル家の血をひく家系は、魔法界には多いということね」
きっと、今後も予想もしなかったようなつながりが明らかになることでしょう。なぜなら魔法界はとても狭い世界で、ほとんど全ての家系が何かしらのカタチでつながっているのですから。しかしこの事実は同時に、同じ家系出身でも、全く異なる魔法使いになるのだということも教えてくれています。
CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
出典:https://www.pottermore.com/
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』2018年11月23日(金・祝)全国ロードショー